熊本地震から4か月が過ぎようとしています。
この地震では新耐震基準の住宅の全壊も見られたようです。

以前から、木造住宅の耐震実験の様子がときどきTVで放送されていますが、
2階建木造住宅の場合、加振されると、1階部分が平行四辺形のように変形を繰り返し、
最終的にへしゃげてしまう一方、2階部分はほぼ原形を保っているようです。
個人的には、これを見て、
2階は1階よりずっと安全性が高い、とばくぜんと思っていました。

先日、東京建築さんぽマップ(松田力著、株式会社エクスナレッジ、2011年初版発行)を
読んでいると、「本郷・白山ルート」の「本郷館」のところで、次の記述がありました。
「ここの注目は、基礎の上の土台である。道路側、坂を登りながらじっくり鑑賞できる。
 地震力をやり過ごす柔構造としての『石場建て工法』に近い。
 予想を超える激震に襲われたら、
 石の上の基礎に置くだけの柱や土台が基礎の上を滑り、
 地震の揺れが地盤から建物に伝わるのを遮る工法だ。
 地震国日本の大工の知恵と工夫と経験が生んだ、素晴らしい工法だと思うのだが、
 現在の建築基準法はこの工法は認めていない。」(原文は改行なし)

まさにこのことを、木造住宅の耐震実験が示しているように思います。
1階部分が平行四辺形のように変形し、最後はへしゃげてしまうのは、
柱の下端が地盤に固定されていて、力を逃がすことができないからで、
その1階が変形により力を吸収することで、2階はほぼ原形を保つということでしょう。
そうだとすれば、「本郷館」のような工法にすれば、
力を逃がすことができるので1階部分にも力はほとんど加わらず、
倒壊は避けられるのではないかと思います。

熊本地震は、現在の建築基準法の考え方を再考する必要性を示したといえると思います。
震災による建物被害の軽減のため、
「本郷館」のような工法を認めることを検討すべきだと考えます。
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